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政治とは可能性の技術である
それは戦後史における画期だった。2023年4月13日朝、政府はJアラート(全国瞬時警報システム)と、エムネット(緊急情報ネットワークシステム)を通じ、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)から発射されたミサイルのうち1つが北海道周辺に落下するとみられると発表... -
足利にて
江戸蕎麦の通人が集う「江戸ソバリエ協会」なる組織がある。かつて私も名を連ねていた。活動の内容といえば、まずは耳学問。蕎麦をめぐる数々のプロフェッショナルたち──名店のご主人や粉、醤油、薬味、日本酒などの専門家を呼んで講義をしてもらう。もち... -
民主主義者の矜持
大政翼賛会を思い起こさせる事態だ。背筋が凍りつくような思いを抑えられなかった。国会に欠席を続け、懲罰処分の陳謝に応じなかったガーシーこと東谷義和議員(政治家女子48党)が3月15日、参議院本会議で除名され、議員資格を失った。国会議員の「除名」は... -
西欧の本質・分割統治
3月初旬、新聞やテレビを見ると、「元徴用工問題が政治決着へ」との報道でもちきりだった。 「元徴用工」とは戦前に日本へと強制連行され強制労働に従事させられたと主張する韓国人だ。その一部が日本企業に対し損害賠償の支払いを求めて韓国の裁判所に訴... -
ウクライナ侵攻から1年
去る2月24日でロシアによるウクライナ侵攻から1年が経過した。この1年でいったい何が変わったのか。もしかすると、この戦争について私たちは現象として起きたことのみに囚われすぎているのかもしれない。巨大な帝国が武力にものを言わせ、隣国を侵略する。... -
現場現物
広告代理店に勤め、販売促進を生業としていた頃の話だ。ある食品メーカーに呼ばれた。「せっかく良いものを作っているのに、一向に売れない。販売促進のプロに売れる方法をうかがえないでしょうか」その会社ではカップラーメンの新商品を開発し、売り出し... -
楽市楽座
前回のコラムではパイオニアで販売促進の任についていた頃の話をさせていただいた。当時を振り返っているうちに思い出したことがある。今回はそれに触れておきたい。 パイオニアはもともとカーオーディオのメーカーだった。言うまでもなく、カーオーディオ... -
失敗の法則
テレビを眺めていた。といっても、放送されている番組を見ていたわけではない。テレビジョン受像機。テレビという機器そのものに目を向けていた。 今では大半が液晶テレビと呼ばれる製品になっている。かつてプラズマテレビと呼ばれる製品があった。医師を... -
生き延びろ、日本
前回も触れた台湾の友人たちとの付き合いから話を始める。昨年夏のことだ。台湾の友人たちと交歓する機会を設けた。もっともお互い自由に行き来できる状況ではまだない。オンライン上、リモートでのことだ。しばらく連絡を取り合っていなかった。挨拶を交... -
日英同盟
新年のお楽しみといえば、何と言っても年賀状である。年に一度、親戚や友人の近況を確認できる。最近では「年賀状じまい」という言葉も聞かれるようになった。ここ数年、私も年賀状の数をかなり減らした。年齢を口実に「お義理」で出していた方々には遠慮... -
どうするニッポン
このところ、年の瀬は京都で過ごし、新年は金沢で迎えている。夫婦二人きりの所帯。子供たちはすでに独立しており、遠方に住んでいる者もいる。皆を招いて新年会というわけにもいかない。 京都と金沢にはそれぞれ馴染みのホテルがある。コンシェルジュを... -
西欧の知恵
誕生日は旅先で迎えると決めている。そう自分に課せば、少しでも見聞を広められるかもしれない。そう思ったからだ。昨夏はパリで一つ歳を重ねた。新型コロナウイルスの影響がまだ色濃く残る中での珍道中。すでに記した通り、なかなかできない体験をさせて...
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