『祖父から孫への手紙:「だましの時代」を生き抜く道標』の目次
- 第1部 自分のアイデンティティーを持つ
- 「知恵の樹」の根
- 第1章 記憶と歴史は70年で入れ替わる
- 第2章 我が家の「家訓」を作ろう
- 「知恵の樹」の根
- 第2部 楽な奴隷ではなく厳しい自由人として生きる
- 「知恵の樹」の幹
- 第3章 孫にはお金でもおもちゃでもなく生きる知恵を贈ろう
- 第4章 お金をためこまない技術
- 第5章 世界では考えられない「三方よし」のビジネス論
- 第6章 「与えすぎてしまう」おじいちゃんの弊害
- 「知恵の樹」の幹
- 第3部 未来を見通す力を養う
- 「知恵の樹」の枝葉
- 第7章 困難な時代に生きる孫に伝えたいこと
- 第8章 コオロギの実験からわかった強い子ども、軟弱な子ども
- 第9章 人のためにどこまでできるかが試される
- 「知恵の樹」の枝葉
「だましの時代」というサブタイトルについて
雑誌フォーリン・アフェアーズ・リポート2021年12月号に「だましの時代」のプレイヤーたちと題して、現代社会を皆が普通に偽情報を発信することが当たり前の社会と規定し、そこにおける政府とソーシャルメディアの責任に言及した論文が掲載されています。
この雑誌は外交問題評議会によって創刊され国際主義思想の啓蒙を今も続けています。
いわば一方の旗頭であり当事者でもある側が現代を「だましの時代」と規定しているのですからそうなのでしょう。
それにしても、あまりにもあからさまな事柄が多すぎます。
今回の侵略と破壊もすぐに片が付くとの誤算から引き起こされたことは明らかです。
しかも侵略を正確に予測しながら報復しないと発言され、支配圏拡大誘惑に負けたようです。
「一位は三位と結託して二位を蹴落とす」が地政学の原則です、すなわち「軍事力一位の米国は軍事力三位の中国と協力して軍事力二位のロシアの軍事力を低下させる」が地政学の原則です。
これを当てはめると「バイデン大統領は習近平国家主席と結託してプーチン大統領を蹴落とす」が原則にかなった行動だといえます。
勿論そんなに単純ではなく国家間の紛争は歴史的、民族的、宗教的、背景が絡み合った結果ですが、経済原則も大きく影響しているようです。
天然ガス海底パイプライン「ノルド・ストリーム2」は寸でのところでご破算になりましたが、こんなものが出来たら自国のコスト高のエネルギーは売れなくなると心配していた方々は安堵されたでしょう。
安いエネルギーを安定的に確保してドイツが再び強大な力を持つことを嫌がる人々もいたでしょう。
侵略と破壊の悲劇が繰り返されるのもそれを必要とする組織や人々いるからです。
しかも戦争の泥沼化は兵器産業にとって安定市場の確保を意味します。
そして皆が自らを正当化します。「だましの時代」は必然なのかもしれません。
その中で日本は武力によって紛争を解決しない「大人の知恵」を持った国家として独自の地位を確立すべきだと筆者は考えています。
本書は次世代の日本人に「大人の知恵」を養うための手引き書として書かれています。
「だましの時代」を航海しながら成長していく若者たちの羅針盤になればと願っています。
日本の将来を担っていく世代に知恵を授けたい
根がしっかりあってこそ、その上に太い幹が育ち、枝葉が長く美しく伸びていくように、人生には必要な「知恵の樹」があります。
昭和、平成、令和の時代に生き、知恵を身に付けてきた私たち団塊世代。
今こそ、この知見を若い世代に伝え、生きた証を残すときです。
混とんとした時代を幸せに生き抜くための「知恵の樹」を贈ります。
著者紹介
竹田 眞也
Takeda Shinya
マーケティングアドバイザー
K グリーンエナジー顧問
1949年、東京生まれ。日本大学芸術学部卒業。
広告代理店に40年間務める。企画責任者として、変化する社会構造に対応する「販売組織作り」、マーケティング技術を駆使した「需要の創造」を数多く成功させる中で、物事の本質を見抜き、対応する知恵を身に付けた。